電磁界情報センターに係る公開質問状

 「中立的な立場から電磁界に関する(略)リスクコミュニケーションの実践を行います」と自称している「電磁界情報センター」(大久保千代次所長)に対して、「電磁波から健康を守る百万人署名連絡会議(現・電磁波から健康を守る全国連絡会)」が2回に渡って公開質問状を提出しましたが、まともな回答がありませんでした。同センターは「中立的」かどうか以前に、そもそも「リスクコミュニケーション機関」として機能していないことが明らかになったわけです。
 同センターには「運営委員会」というものが設置されています。「センターの運営の中立性や透明性を担保(略)するため、運営に関する重要事項について、広く見識を有する学識者、消費者代表、マスメディア関係者により構成される『運営委員会』でチェックされる仕組みを設ける」と、同センターのウェブサイトで説明されています。
 そこで、同センターによる質問状回答などについて「チェック」してもらおうと、各運営委員あての新たな公開質問状を2010年1月7日、提出しました。
 今回の質問状は、電磁波から健康を守る全国連絡会の会員有志による提出となりました。当連絡会の会員の中には「同センターが中立的なリスクコミュニケーション機関でないことは、これまでの質問状への回答などで既に明白である。実質的に電力会社等の広報機関である同センターについては解散を求めるべき。新たな質問状を出すこと自体が、かえって同センターへの社会的認知を広げることになりかねない」という趣旨から、今回の質問状提出に反対する意見もありました。それぞれ独自の活動を行っている全国の団体・個人の自由で緩やかな提携を旨としている当連絡会は、全会一致を原則としているため、今回の質問状は賛同団体のみで提出することとしたのです。
 同センターが社会に対して運営委員会の存在をPRし「中立性」を標榜しつつ賛助会費等を集めていることを鑑みれば、「中立性を担保」する責任と権限を持っている運営委員に対してまず質してみたほうが良いというのが、本質問状の提案者による提案理由です。


電磁界情報センター
運営委員長 渡邊 昌 様

電磁界情報センターに係る公開質問状


拝啓 平素より、市民の健康増進にご尽力いただき、ありがとうございます。
 私たちは、電磁波問題に真摯に取り込む全国の団体です。急性影響を引き起こさない程度の弱い電磁波に曝露され続けることにより、白血病などの健康影響が引き起こされることを示唆する研究報告があります。また、生活環境中の電磁波により様々な症状に苦しむ「電磁波過敏症」の方々がいます。私たちは、そのような問題について、情報収集・発信や、市民からの相談への対応などを行っております。
 さて、電磁界情報センター(以下、「センター」と言います。)が一昨年発足し、私たちはその活動を注視いたしておりました。センターについて不明、疑問の点がございましたので、センターへ質問状を2回に渡り提出いたしましたが、質問のほとんどについて、明確な回答をいただけませんでした。
 そこで、「センターの運営の中立性や透明性を担保し、組織の社会的信頼を確保するため」(ウェブサイトより)、センターの運営をチェックする権限と責任を有する運営委員の方々に、下記の通り質問させていただきます。
 お忙しいところ恐れ入りますが、2月7日までに書面にてご回答をいただきますよう、お願いいたします。

敬具


1.私たちは、昨年1月27日、センターに対して、8項目について質問した第1回公開質問状(資料1)を提出し、同2月17日付でセンターから回答をいただきました(資料2)。その回答によってお答えいただけなかった点や、さらに不明、疑問の点につきまして、第2回公開質問状(資料3)を同3月18日に提出し、同6月23日に回答をいただきました(資料4)。
 大久保千代次センター長は、「電磁界情報センター開所記念シンポジウム」(2008年12月12日開催)において、「どうか、厳しく我々の活動を監視して頂いて、問題があるようでしたらメールやFAX、お電話を頂ければと思います。24時間体制という訳にはいきませんが、1週間程度で何らかのご回答をしたいと思います。」「そのご回答に不満があればまたご意見を頂いて、出来る限り、双方向のやりとりをしていくということを考えております。」と発言していました(議事録より)ので、何らかの内容のあるお答えをいただけるものと期待いたしておりました。
 ところが、センターによる2回の回答は共に、私たちにとって意外な内容でした。たとえば8項目の質問のうち、第1項目については、事実上、何も回答していません。また、2回目の回答は、8項目のうち7項目までが「平成21年2月17日付『「電磁界情報センターに係る公開質問状」へのご回答』で回答いたしましたとおりです。」という文言だけの回答内容でした。
 私たちによる質問状に対する、センターによるこのような対応は、リスクコミュニケーションとして適切でしょうか? 貴殿のご見解をお示しください。

2.大久保センター長は、上述の「電磁界情報センター開所記念シンポジウム」における講演の中で「正確な情報とは」とのスライド(資料5)を示しました。大久保センター長は、センターによるその後の催しの中でも、たびたびこのスライドを示しています。たとえば第1回電磁界情報センター総合討論会(2009年10月20日開催)において、会場の市民が「国際指針値を下回る強度の電磁界について健康影響を示唆する報告をしている著名な研究者もいるのだから、そういう方も招いてほしい」旨、質問したところ、壇上の大久保センター長は、このスライドを示しながら、「そのような報告は『正確な情報』ではない」という趣旨の回答をしました。
 このスライドには、「正確な情報」の定義の一つとして、「査読付きの国際的な学術論文やレビューで、以下の項目が適切であること。(1)研究目的(2)研究手法(3)ばく露量評価(4)統計的処理(5)結果と考察(6)引用文献」と書かれています。この点について、以下の通り質問します。
2-1.センターにおいて、だれが、いかなる手続き、および基準によって、上記(1)~(5)が「適切」なのかどうかを評価するでしょうか? 貴殿がご承知でしたら、お教えください。
2-2.各ジャーナル等がそれぞれ行っている査読をクリアして掲載された論文等につき、センターが(1)~(5)を「適切」なのかどうか評価することが可能であるということは、世界各国の各ジャーナル等がそれぞれ有している査読能力を上回る評価能力をセンターが有していることを意味するものと思われますが、いかがでしょうか? 貴殿のご見解をお示しください。また、センターがそのような評価能力を有しているとのご見解でしたら、その根拠も併せてお示しください。
2-3.センターによって「正確な情報」と判断した情報のみを扱い、その他の情報を扱うことを認めないというセンターの方針は、リスクコミュニケーションを進める上で適切でしょうか? 貴殿のご見解をお示しください。


3.センターの現在までの活動の「中立性」について、貴殿はどのような評価をされているでしょうか? 理由とともにお示しください。

以上


2010年1月7日

【提出団体】<代表者名・略>
新東京タワー(東京スカイツリー)を考える会
スカパー巨大アンテナに反対する住民の会
中継塔問題を考える九州ネットワーク
電磁波と健康を考える会・みやぎ
電磁波問題市民研究会
特定非営利活動法人市民科学研究室
VOC-電磁波対策研究会

 ※連絡先<略>




検索エンジン等からこのページへお越しの方へ - トップページはこちらです